2026.08.22
今回完成した新しいお住まいにも、お客様と一緒に考えた様々な工夫があります。
お客様が今感じていること、少し不便に思っていること、そしてこれからどんな暮らしをしたいのか。
何度もお話を重ねながら、一緒に答えを探していきます。
吉村順三氏の楕円手摺
今回、特に大切にしたのが階段の手摺です。
お客様は足の具合から、階段の昇り降りに少しご負担を感じていらっしゃいました。
そこで、安全性を考えて両側に手摺を設置。
さらに、日常的によく使う内側の手摺には、私が尊敬する建築家・吉村順三氏が考案したとされる楕円形の手摺を採用しました。
一見すると普通の丸い手摺に見えるのですが、握ってみると微妙に楕円になっています。
このわずかな形の違いが、手のひらにとても自然になじみ、しっかりと握ることができます。
実は観田創建の事務所の階段にも同じ考え方の手摺を採用しています。
長年使っていますが、その形に気づかれた方はほとんどいません。
今回のお客様は、なんとお二人目。
こういう小さなところに気づいていただけるのも、とてもうれしいものです。毎日の「ちょっと便利」を一つずつ
もちろん、工夫は階段だけではありません。
キッチンの使いやすい位置に設けた吊戸棚やミーレの食洗機。
洗濯や掃除などにも便利な、底面がフラットなスロップシンク。
脱衣室には、空気を循環させながら照明としても使えるサーキュレーター付き照明を採用しました。
一つひとつは小さな工夫かもしれません。
しかし、その小さな工夫の積み重ねが、毎日のストレスを少しずつ減らし、何十年という暮らしの心地よさにつながっていくのだと思います。
住まいは、お客様との合作
私たちだけでは、この住まいはつくれません。
お客様から暮らし方を教えていただき、私たちがこれまで培ってきた経験や設計の知恵を重ね、職人さんが丁寧に形にしていく。
住まいづくりは、お客様と私たちとの合作です。
だからこそ、一軒一軒違っていていい。
むしろ、そのご家族にしか必要のない工夫がたくさんある住まいほど、暮らし始めてから「やっぱりこれがあって良かった」と感じていただけるのではないでしょうか。
そんな小さな工夫を、お客様と一緒に楽しみながら考えていくことも、私にとって住まいづくりの大きな楽しみの一つです。
2026.07.21
寝室の暑さ対策としてパーゴラを設置しました。
夏を快適に過ごすために大切なのは、室内を冷やすことだけではなく、強い日差しを窓の外で遮ることです。
パーゴラが直射日光をやわらげ、さらに植物の葉から水分が蒸発する気化熱によって、周囲の温度を2℃以上下げる効果も期待できます。
もちろん、植物ですから剪定など、お手入れは欠かせません。
それでも、木漏れ日が差し込む心地よい日陰や、葉の間を通り抜ける涼しい風は、エアコンや扇風機では味わえない、自然ならではの上質な心地よさがあります。
左側には、パーゴラの代表的な植物でもある藤、右側にはアケビです。
まだ、全体を覆いきっていませんが、アケビは季節になると実もなり、四季の移ろいを楽しませてくれます。
観田創建では、機械の性能だけに頼るのではなく、軒や植栽、風や光など、自然の力を上手に取り入れる住まいを大切にしています。
夏の暑ささえも、少し楽しみに変えてくれる。
そんな暮らしも素敵ですよ
2026.07.14
先日ご紹介した、築40年のご両親から受け継がれた住まい。
リノベーションが完成し、ご相談いただいていたソファやベッドも納まり、いよいよ新しい暮らしが始まりました。先日お伺いすると、
「とても便利で涼しくて快適で、大型犬のけもの臭さがドイツ漆喰でなくなりました」
という、とてもうれしいお言葉をいただくことができました。
寝室には、ご夫婦のベッドだけでなく、大切な大型犬の寝床やソファも置かれ、ご家族みんなが思い思いにくつろげる素敵な空間になっていました。
設計中に何度もお話ししていた、
「わんちゃんと一緒に、暖かく快適に暮らしたい。」
という夢が、形になったことを私たちもとてもうれしく感じています。
収納は適材適所に配置され、洗濯から収納までの動線もスムーズに。
床暖房や断熱改修、二重サッシによって、暑い夏も涼しく、冬はもちろん暖かく、一年を通して快適に過ごせる住まいになりました。
住まいは完成した瞬間ではなく、暮らし始めてから本当の価値が生まれます。
これからも、この住まいがご家族とわんちゃんにとって、笑顔あふれる場所となり、末永く愛される住まいであり続けることを願っています。
2026.06.23
築36年。
キッチンやお風呂、外壁などを少しずつリノベーションしながら、大切に住み継いでこられたM様。
2人のお子様も独立され、今は時々帰ってくるお孫さんを何よりの楽しみにされています。
一方で、親御さんの介護も少しずつ大変になり、暮らし方にも変化が出てきたそうです。
そんな中、60歳という節目を迎え、納戸になっていた子ども部屋を、
ご自身の趣味やお仕事のお部屋へ、
そしてご主人とは別々の寝室へと思い切ってリノベーションされました。
「部屋に風が通るようになり、身も心も風通しが良くなりました。」
そんな素敵なお言葉をいただきました。
「寒いから仕方ない」
「住みにくいのは当たり前」
と、長年諦めていたことを相談してみて本当に良かった、ともお話しくださいました。
M様はとても素敵な感性をお持ちで、やり過ぎず、飾り過ぎず、自然体で暮らしを楽しまれています。
住まいも同じで、必要なところを丁寧に整えながら、ご自身らしく暮らしていらっしゃる姿は、まさに私たちのお手本です。
私自身、いつもたくさんのことを学ばせていただきますし、お伺いしてお話しする時間がとても楽しみなお客様のお一人です。
住まいは、子育てのためだけでも、老後のためだけでもありません。
その時々の暮らしに合わせて少しずつ整えながら、人生をより豊かにしてくれるものなのだと、改めて感じさせていただきました。
2026.06.10
キッチンはグラフテクトのデュエ型に、カップボードと造作家具のゴミ箱収納を組み合わせました。
ゴミ箱収納には、タワーのカウンター下レジ袋ハンガーを採用し、分別やゴミ出しがしやすいよう工夫しています。
住まいづくりでは、キッチン本体だけでなく、ゴミ箱をどこに置くのか、どのように分別するのかまで考えておくことが、日々の使いやすさにつながります。
既成のグラフテクトに造作の収納をぴったりと合わせるのが大変でした(笑
当時のグラフテクトは450タイプのボッシュ食洗機のみ対応でしたが、現在は600タイプも選択できるようになり、選択肢が広がりました。
ボッシュのゼオライト乾燥については好みが分かれるところもありますが、世界的な実績を持つメーカーであり、耐久性や安心感という点では高い評価を得ています。
設備は日々進化していますが、大切なのはご家族の暮らし方に合っていること。
収納や家事動線も含めて、毎日の暮らしが少しでも楽しく快適になるようご提案していきたいと思います。