2026.09.12
久しぶりに拝見すると、ナラの無垢床や杉の柿渋塗りも、12年という時間を重ね、少しずつ艶が増し、色合いにも深みと重厚感が生まれていました。
新築の時の美しさとは、また違う美しさです。
自然素材は、時間が経つほどに傷や色の変化も含めて、その家にしかない表情へと育っていきます。
そして、それは住まいだけではないのかもしれません。
ご夫婦も自然体で暮らす日々を積み重ねながら、12年前よりさらにご家族の歴史と絆を深めてこられたように感じました。
本当に素敵なご家族です。
設計した者にとって、12年経ってからいただく「一番好きな場所」という言葉は、新築時のお褒めの言葉とはまた違う、何ともいえないうれしさがあります。
暮らして、使って、季節を何度も経験して、それでも好きでいてくださる。
そこに、住まいの本当の価値があるように思います。
そして、もう一つ素敵だったのが、リビングや玄関からつながる土間の作業場。
そこでいろいろなものをつくり、手を動かし、暮らしそのものを楽しんでいらっしゃいました。
住まいは、きれいに眺めるためのものではなく、そこで何をして、誰と過ごし、どんな時間を積み重ねていくか。
12年経った住まいを訪ねると、私たちが設計した家に、お客様自身の暮らしが加わり、完成した時よりもずっと豊かな住まいになっていることに気づかされます。
自然素材が美しく歳を重ねるように、人も家族も、住まいとともに豊かに歳を重ねていく。
そんな姿を拝見できることが、長く住まいづくりに携わらせていただく私たちにとって、何よりうれしいことです。
これから10年、20年と、さらにどんな住まいに育っていくのか。
またお伺いできる日を楽しみにしています。
2026.09.08
新築から22年。
私たち観田創建で建築させていただいた、自然素材と泥壁を大切にした金沢市の住まいを、今回大きく改修させていただくことになりました。
22年前も、自然素材を使い、永く大切に暮らしていただける住まいを目指して設計しました。
そして22年が経った今。
良いものは残しながら、現在の技術でさらに性能を高め、これから50年、100年と住み継いでいける住まいへ。
今回の大きなテーマです。
22年前の自然素材に、現在の断熱・気密性能を
まず取り組んでいるのが、断熱・気密性能の大幅な向上です。
現在は天井部分の断熱・気密工事の真っ最中。
既存住宅だからこそ難しい部分もありますが、一つひとつ納まりを確認しながら、現在のGX志向型住宅を目標とした高い省エネ性能へ近づけていきます。
夏は涼しく、冬は暖かく。
そして少ないエネルギーで快適に暮らせる住まいへ。
22年間で進化してきた環境工学や断熱・気密の技術を、この住まいにもう一度重ねていきます。
繰り返す大地震も見据えた住まいへ
もう一つ、大切なのが耐震性能です。
能登半島地震を経験した私たちにとって、単に一度の大地震に耐えるだけでなく、繰り返す大きな地震に対して、いかに住まいとご家族を守るかは、これからますます大切なテーマだと感じています。
既存の構造をしっかり調査し、必要な部分を補強しながら、次の世代にも安心して受け継いでいただける住まいを目指します。
22年間使った杉の床は、捨てずに蘇らせる
そして私が楽しみにしているのが、22年間ご家族と一緒に時を重ねてきた杉の無垢フローリングです。
新しい床に張り替えるのではなく、表面を丁寧にサンダー掛けして、もう一度美しく蘇らせます。
傷も、色の変化も、22年間暮らしてきた証です。
古くなったから取り替えるのではなく、良いものは手を入れながら使い続ける。
自然素材だからこそできることですね。
そして今回、お客様が念願だった**「緑に囲まれて暮らす住まい」**へ。
窓から緑を眺め、季節を感じ、自然の光や風を楽しみながら暮らす。
22年間のご家族の思い出と、現在の技術、そしてこれからの夢を重ねていく。
新しくするためのリノベーションではなく、良いものを未来へつなぐためのリノベーション。
完成が今からとても楽しみです。
2026.08.19
観田創建の創立当初、29年前に新築させていただいた金沢市の住まいへお伺いしました。
当時、3人の娘さんを育てるご家族5人のためにつくらせていただいた住まい。
その娘さんたちも成長されました。
29年という時間を経た住まいを拝見して、あらためて感じたことがあります。
それは、観田創建の家づくりには「変わらないもの」と「大きく進化したもの」があるということです。
29年前から変わらない、自然素材への想い
リビング・ダイニングには、無垢のナラフローリングと日本漆喰。
29年前から私たちは、できるだけ自然素材を使い、長く使えて、年月とともに美しくなっていく住まいを目指していました。
現在は日本漆喰からドイツ漆喰へ、無垢床の仕上げも蜜蝋ワックスからオスモカラーへ。
より耐久性やメンテナンス性の高いものを求めて少しずつ変化していますが、「本物の素材を使い、永く大切に暮らしていただきたい」という根本の考え方は、29年前から変わっていません。
実際、29年間使われてきたナラの無垢床や漆喰壁には、新品にはない深い味わいがあります。
古くなるのではなく、美しく歳を重ねていく。
これが私たちの考える「経年美」です。
そして、大きく進化した断熱と構造
一方、この30年で大きく変わったのが、住まいの断熱性能と耐震性能です。
現在では断熱等級6やHEAT20 G2レベルの住まい、トリプルガラス、高性能な断熱材など、住環境の性能は大きく進化しました。
構造についても、耐震性能をより明確に数値で確認しながら、安全性を高める設計へと進化しています。
自然素材の心地よさに、科学的な性能を組み合わせる。
「感性と科学」の両方から、ご家族の健康と幸せを考える住まいづくりへ。
29年前の住まいを拝見すると、観田創建が大切にしてきたものと、これからさらに磨かなければならないものが、とてもよく見えてきます。
良いものは変えない。
そして、より良くできるものは進化させ続ける。
これから30年、さらにその先も、ご家族とともに美しく歳を重ね、次の世代へ受け継いでいただける住まいをつくり続けたいと思います。
それが、観田創建の「経年美修」という住まいづくりです。
2026.08.10
おかげさまで創業30周年を迎えることができました
平成8年8月8日に創業した観田創建は、令和8年8月8日をもちまして、創業30周年を迎えることができました。
振り返れば、本当にあっという間の30年でした。
今日まで歩んでくることができたのは、私たちを信頼し、大切な住まいづくりをご依頼くださったお客様、いつも現場を支えてくださる職人さんや協力業者の皆様、金融機関をはじめ多くの関係者の皆様、そして共に歩んできてくれたスタッフのおかげです。
あらためて、心より感謝申し上げます。
30年間、私たちがひたすら考え続けてきたのは、
「どうすれば、お客様とご家族に末永く幸せに暮らしていただけるのか」
ということでした。
「この家を建ててよかった」
「毎日、快適に暮らしています」
「子どもたちとの楽しい思い出が、この家にたくさん残っています」
そんなお言葉をいただくたびに、私たちがつくっているのは建物だけではなく、その先にあるご家族の暮らしや幸せなのだと教えていただいてきた30年でもありました。
そして、住まいは30年で終わるものではありません。
お子様が成長し、やがて次の世代へ。
50年、60年、その先まで大切に受け継いでいただける住まいをつくることが、これからますます大切になってくると感じています。
自然素材、環境工学、耐震・断熱性能、そして金沢の文化や美しい暮らし。
これまで積み重ねてきたものを大切にしながら、私たち自身も進化を続け、次の30年の観田創建をつくってまいります。
30年間、本当にありがとうございました。
そして、これからも末永くお付き合いいただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
自然と人が共に輝く暮らしを、次世代へ。
株式会社 観田創建
代表取締役 観田 康宏