2026.07.07
金沢市|築100年の町家を、次の100年へ

築100年を超える金沢の町家。
この住まいを受け継いでくださったのは、赤ちゃんが生まれたばかりの若い子育て世代のご家族です。
長い年月を重ねた住まいは、土台をはじめ傷んでいる部分も多くありました。
私たちの大きなテーマは、
「この町家を、どうすれば次の50年、100年へ受け継いでいけるのか。」
まず取り組んだのは、耐震性能の向上です。
築100年の建物は、新築のように自由に構造計画ができるわけではありません。

既存の柱や梁、町家らしい空間を大切にしながら補強を重ね、それでも難しい部分には耐震ダンパーを採用し、地震の揺れを軽減する工夫を行いました。
そして、もう一つの大きな課題が「暖かさ」です。
外張り断熱を施し、サッシにはトリプルガラスを採用。
天井も、築100年の構造を活かしながら気密性を確保するため、二重天井として断熱層を丁寧につくりました。
古いものを残すことだけが、継承ではないと思っています。

赤ちゃんが暖かく育ち、家族が快適に暮らし、その子どもたちがいつかまた、この住まいを大切に思ってくれること。
それが、本当の意味で「住まいを受け継ぐ」ということではないでしょうか。
歴史ある梁や柱。
金沢らしい格子や障子。
陰影のある空間。

そこに、現代の耐震性能と断熱性能、そして子育て世代の暮らしやすさを重ねていく。
金沢の文化を、我慢して残すのではなく、心地よく暮らしながら次の世代へつないでいく。
このような住まいが金沢に少しずつ増えていけば、きっと50年後、100年後の金沢の町並みも、さらに素敵なものになるのではないかと思っています。
カテゴリー: 住まいづくり