2026.10.31
静岡県富士宮市にある「富士山リトリート MUKU ten.舎 富士宮」へ、建築の視察研修に行ってまいりました。
富士山本宮浅間大社の門前町に佇む、国産の天然木をふんだんに使った一日一組限定の宿です。
今回の視察で特に心を動かされたのは、日本の木の美しさと、土地の風土を大切にした空間づくりでした。
富士ヒノキや静岡県産材などの国産材を生かした建築に、存在感のある無垢の一枚板の家具。
木の表情や手触り、自然な香りを感じながら過ごす空間は、どこか懐かしく、それでいて洗練された心地よさがあります。
大きな木の一枚板は、同じものが二つとない自然がつくり出した造形美。
その個性を消すのではなく、素材そのものの魅力を生かして空間に取り入れていることが、とても印象的でした。
また、深い軒や窓の切り取り方、柔らかな間接照明、木と和紙の組み合わせなど、細部にまで日本らしい美意識が感じられます。
そして、朝には窓から富士山を望むことができました。
周囲には建物が立ち並ぶ市街地でありながら、窓の向こうに広がる富士山と空の景色が、空間に特別な豊かさを与えてくれます。
建築は、その土地にある自然や景色をどう暮らしに取り込むかによって、心地よさが大きく変わる。
改めてそんなことを感じました。
木に囲まれた寝室や、趣のある浴室、外気を感じながらくつろげる場所も、日本ならではの豊かな時間を演出しています。
海外から訪れる方にも、日本の自然素材や職人の技、そして美しい暮らしの文化を誇れる、素晴らしい宿だと思いました。
私たち観田創建も、自然素材と科学的な住環境性能を大切にしながら、住まいづくりを続けています。
今回の視察では、性能や機能だけでは表現できない、素材の持つ力や、心が安らぐ空間の大切さを改めて学ばせていただきました。
本当に豊かな空間とは、豪華であることよりも、自然と調和し、そこにいるだけで心が満たされることなのかもしれません。
金沢にも、美しい自然や木の文化、伝統的な職人の技があります。
そうした地域の魅力を現代の暮らしに生かし、次の世代へつないでいくこと。
これからの観田創建の住まいづくりにも、大切に取り入れていきたいと思います。
素晴らしい建築と日本の木の魅力に出会えた、学びの多い視察研修となりました。
富士山リトリート MUKU ten.舎 富士宮
公式サイト:https://mukuten-sha.com/
2026.10.13
金沢市金石地区にある、築100年を超える旧森田邸。
観田創建で古民家再生をお手伝いさせていただいたこの町家で、恒例となった演奏会が開催され、今回もご協力させていただきました。
今回の演奏は、服部龍生さんとMas Kogaさんによるデュオライブ。
服部龍生:https://ryuseihattori.jp/
Masu Koga:https://www.tunecore.co.jp/artists?id=988068&lang=ja
6弦フレットレス・ベースとソプラノサックスが奏でる音楽は、何とも不思議で心地よい世界観でした。
音が身体全体を優しく包み込み、100年の時を重ねた木の梁や柱、漆喰の壁である町家の空気に自然と溶け込んでいくような感覚。
聴いているうちに、なぜか幼い頃の懐かしい記憶までよみがえってきました。
古い建物には、新しい建物ではつくることのできない、時間が育てた空気感があります。
そこに音楽が加わり、人が集い、笑顔が生まれる。
建物を再生するということは、単に古いものをきれいに直すことではなく、その場所に新しい時間と文化を育てていくことなのだと改めて感じました。
お越しいただいた皆様にも、素敵なひとときを楽しんでいただけたのではないかと思います。
そして、いつも会場をご提供くださり、私の故郷でもある金石のまちに、こうした文化の場をつくり続けてくださっている旧森田邸の荻野康子さんに、心から感謝申し上げます。
100年の歴史を受け継ぎながら、これからの100年に新しい思い出を刻んでいく。
そんな町家の姿を、これからも大切にしていきたいと思います。
2026.10.07
住まいづくりで、一番大切なことは何でしょうか。
私は、素敵な家を完成させることだけではなく、
住めば住むほどそのご家族らしさが増し、暮らすことが楽しく、わくわくする住まいに育っていくことだと思っています。
新築から12年を迎えた、野々市市のお住まい。
設計当時、ご夫婦とは何度も
「この家でどんな暮らしをしたいか」
を語り合いました。
好きな自転車を眺められる玄関。
好きなものづくりに没頭できる土間の工房。
大きくなくても、緑を眺めながら食事ができ、外からの視線を気にせず過ごせる庭とテラス。
そして、家族が自然に集まるリビング。
12年後に、あらためて
あの頃一緒にわくわくしながら描いていた暮らしが、
本当にそこにありました。
それどころか、
家具や道具、植物、趣味のものが加わり、
完成した時よりもずっと楽しく、
ずっとこのご家族らしい空間に育っています。
「大好き」が詰まった家で、大好きな家族と暮らす。
家を建てる目的は、もしかすると、とてもシンプルなことなのかもしれません。
ナラの床や杉に塗った柿渋も12年の時間を重ね、艶や深みを増してきました。
でも、経年美とは
素材が美しく歳を重ねることだけではなく、
家族の暮らしや思い出が重なり、その家にしかない価値が育っていくことでもあると思います。
早くも12年。
これから10年、20年と、
この住まいがご家族と一緒にどんな時間を刻み、
どんな表情に育っていくのか。
また訪ねる日が、今から楽しみです。
2026.10.02
心(脳)まで「巡らす」「出す」「整える」を大切にされている
wellness salon “solo(ソロ)”さん。
このたび、新しい店舗の施工を観田創建でお手伝いさせていただきました。
そして本日からプレオープン。
本当におめでとうございます。
soloさんが大切にされているのは、
「本来の自分を取り戻しませんか」
という想い。
日常の忙しさから少し離れて、自分自身の心と身体にゆっくり向き合い、本来の自分らしさを取り戻していく場所です。
このお話を初めてお聞きした時、私たち観田創建が住まいづくりで大切にしていることとも、とても通じるものを感じました。
住まいも店舗も、ただ美しい空間をつくればよいのではなく、そこにいる人が心地よく、自分らしくいられる場所であること。
そんな共通する想いがあったからでしょうか。
打ち合わせも本当に楽しく、一緒に一つひとつ考えながら、soloさんらしい素敵な空間へと仕上がっていきました。
金沢市西念という便利な場所に生まれた、新しいwellness salon。
これからたくさんの方がこの場所を訪れ、少し肩の力を抜いて、心と身体を整える時間を過ごされることを楽しみにしています。
空間が、人を少し幸せにする。
そんな場所づくりに携わらせていただけたことに、心から感謝いたします。
soloさん、新しいスタート、本当におめでとうございます。
solo https://solo-1126.com/
2026.09.17
新築から、この9月でちょうど20年を迎えたお住まい。
今回はそのお住まいの工事ではなく、お隣にお住まいのご実家のお父様・お母様からご相談をいただき、屋根の全面改修とトイレの改修工事でお伺いしました。
久しぶりに、20年前に建てさせていただいた住まいをゆっくり眺めてみると、少し前にメンテナンスさせていただいた外壁もとてもきれいです。
手前味噌ではありますが、
「本当に20年経ったのかな」
と思ってしまうほどでした。
もちろん、新築当時のままというわけではありません。
雨や風、強い日差し、そして北陸の厳しい冬を20年間経験しています。
それでも、必要な時期にきちんと手を入れ、お客様が大切に暮らしてくださったことで、新築時とはまた違う、落ち着いた美しさが生まれていました。
住まいは、建てた瞬間が一番美しいのではなく、暮らしながら手を入れ、ご家族の歴史とともに美しく歳を重ねていくものだと思います。
そして今回、もう一つとてもうれしかったことがあります。
20年前、一軒の住まいを建てさせていただいたことから始まったご縁が、年月を経て、お隣に暮らすご両親の住まいのご相談へとつながっていることです。
家を建てたら、それでお付き合いが終わるのではなく、点検やメンテナンスでお伺いしながら、お子様の成長を拝見したり、ご家族の暮らしの変化を感じたり。
一軒の家から始まったご縁が、20年という時間を超えて、ご家族とのお付き合いへと育っていく。
考えてみれば、これほどありがたいことはありません。
自然素材が年月とともに味わいを深めていくように、私たちとお客様とのご縁もまた、時間を重ねるほどに深まっていく。
それも、観田創建が大切にしたい**「経年美」**のひとつなのかもしれません。
家も、人も、ご縁も、美しく歳を重ねていく。
これから10年、20年、その先も。
住まいとご家族に寄り添いながら、末永くお付き合いさせていただければと思います。