2026.09.02

視線を遮りながら、風を感じる|石川県金沢市注文住宅増築に先立つオーダーフェンス

これから始まる増築工事に先立ち、オーダーで計画した木製フェンスを施工しました。

「周囲からの視線はしっかり遮りたい。でも、大好きな風は感じて暮らしたい。」

プライバシーを守ろうとすれば、どうしても壁は閉じていきます。

一方、風を取り込もうとすれば、ある程度は開かなければならない。

一見すると矛盾するような二つのご要望ですが、そこをどう両立させるかです。

そこで今回は、人の目線の高さと風の通り道を一枚一枚の板の配置を計画したオーダーフェンスとしました。

柱には、雨や湿気による腐食の心配が少ないアルミ製の柱を採用。

そこに、屋外でも高い耐久性をもつ天然木のセランガンバツを組み合わせました。

ただ目隠しの塀をつくるのではなく、

見せたくないものは遮り、心地よい風は通す。

室内から眺めたときの景色や光、風の流れまで考えて、住まいの一部として設計しています。

今回は増築後では施工が難しくなるため、建物の工事に先立ってフェンスを完成させました。

住まいづくりでは、「こちらを優先すれば、こちらは諦めなければならない」ということが少なくありません。

でも、そこでどちらかを簡単に諦めるのではなく、どうすれば両方を叶えられるだろう。

そんなことをお客様と一緒に考えるところから、そのご家族だけの住まいが生まれてくるのだと思います。

2026.08.28

豪雨災害|石川県注文住宅新築

今回の豪雨災害で、4年前に新築させていただいたお住まいが床下浸水の被害に遭われました。

基礎の換気部分から水が入り、床下は一時水浸しとなり、土台も約3cmほど水に浸かった状態だったとのことです。

翌日、私たちがお伺いした際には幸い水は引いていましたが、床下には泥が残り、防湿シートの上にはまだ多くの湿気が残っていました。

計測すると、
床下温度24℃、湿度89%。
床下の湿気をとらねばなりません

まずは床下の温湿度を確認し、大型除湿機とサーキュレーターを4台搬入。

まずは現場スタッフ5名で床下に入り、表面に残った泥を砂利とともに床下一面すべて撤去させていただきました。

これから除湿機と送風機を使い、しっかりと床下を乾燥させていきます。

来週には再度、
床下の温度・湿度、
そして土台など木材の含水率を計測し、乾燥状態を確認する予定です。

今回、床上まで浸水しなかったこと、そして下水などによる汚染の影響が比較的少なかったことは、本当に幸いでした。

家は、完成してお引き渡ししたら終わりではありません。

災害や予期せぬ出来事が起こった時にこそ、
「建てさせていただいた住まいを、これからも守っていく」
という私たちの役割があると思っています。

一日も早く安心して普段の暮らしに戻っていただけるよう、最後までしっかり確認してまいります。

2026.08.22

お客様との合作|一つひとつの工夫から生まれる住まい |野々市町注文住宅新築

今回完成した新しいお住まいにも、お客様と一緒に考えた様々な工夫があります。

お客様が今感じていること、少し不便に思っていること、そしてこれからどんな暮らしをしたいのか。

何度もお話を重ねながら、一緒に答えを探していきます。

吉村順三氏の楕円手摺

今回、特に大切にしたのが階段の手摺です。

お客様は足の具合から、階段の昇り降りに少しご負担を感じていらっしゃいました。

そこで、安全性を考えて両側に手摺を設置。

さらに、日常的によく使う内側の手摺には、私が尊敬する建築家・吉村順三氏が考案したとされる楕円形の手摺を採用しました。

一見すると普通の丸い手摺に見えるのですが、握ってみると微妙に楕円になっています。

このわずかな形の違いが、手のひらにとても自然になじみ、しっかりと握ることができます。

実は観田創建の事務所の階段にも同じ考え方の手摺を採用しています。

長年使っていますが、その形に気づかれた方はほとんどいません。

今回のお客様は、なんとお二人目。

こういう小さなところに気づいていただけるのも、とてもうれしいものです。毎日の「ちょっと便利」を一つずつ

もちろん、工夫は階段だけではありません。

キッチンの使いやすい位置に設けた吊戸棚やミーレの食洗機。

洗濯や掃除などにも便利な、底面がフラットなスロップシンク。

脱衣室には、空気を循環させながら照明としても使えるサーキュレーター付き照明を採用しました。

一つひとつは小さな工夫かもしれません。

しかし、その小さな工夫の積み重ねが、毎日のストレスを少しずつ減らし、何十年という暮らしの心地よさにつながっていくのだと思います。

住まいは、お客様との合作

私たちだけでは、この住まいはつくれません。

お客様から暮らし方を教えていただき、私たちがこれまで培ってきた経験や設計の知恵を重ね、職人さんが丁寧に形にしていく。

住まいづくりは、お客様と私たちとの合作です。

だからこそ、一軒一軒違っていていい。

むしろ、そのご家族にしか必要のない工夫がたくさんある住まいほど、暮らし始めてから「やっぱりこれがあって良かった」と感じていただけるのではないでしょうか。

そんな小さな工夫を、お客様と一緒に楽しみながら考えていくことも、私にとって住まいづくりの大きな楽しみの一つです。

2026.08.19

築29年の住まいから見える、変わらないものと進化したもの|石川県金沢市注文住宅

観田創建の創立当初、29年前に新築させていただいた金沢市の住まいへお伺いしました。

当時、3人の娘さんを育てるご家族5人のためにつくらせていただいた住まい。
その娘さんたちも成長されました。

29年という時間を経た住まいを拝見して、あらためて感じたことがあります。

それは、観田創建の家づくりには「変わらないもの」と「大きく進化したもの」があるということです。

29年前から変わらない、自然素材への想い

リビング・ダイニングには、無垢のナラフローリングと日本漆喰。

29年前から私たちは、できるだけ自然素材を使い、長く使えて、年月とともに美しくなっていく住まいを目指していました。

現在は日本漆喰からドイツ漆喰へ、無垢床の仕上げも蜜蝋ワックスからオスモカラーへ。

より耐久性やメンテナンス性の高いものを求めて少しずつ変化していますが、「本物の素材を使い、永く大切に暮らしていただきたい」という根本の考え方は、29年前から変わっていません。

実際、29年間使われてきたナラの無垢床や漆喰壁には、新品にはない深い味わいがあります。

古くなるのではなく、美しく歳を重ねていく。

これが私たちの考える「経年美」です。

そして、大きく進化した断熱と構造

一方、この30年で大きく変わったのが、住まいの断熱性能と耐震性能です。

現在では断熱等級6やHEAT20 G2レベルの住まい、トリプルガラス、高性能な断熱材など、住環境の性能は大きく進化しました。

構造についても、耐震性能をより明確に数値で確認しながら、安全性を高める設計へと進化しています。

自然素材の心地よさに、科学的な性能を組み合わせる。
「感性と科学」の両方から、ご家族の健康と幸せを考える住まいづくりへ。

29年前の住まいを拝見すると、観田創建が大切にしてきたものと、これからさらに磨かなければならないものが、とてもよく見えてきます。

良いものは変えない。

そして、より良くできるものは進化させ続ける。

これから30年、さらにその先も、ご家族とともに美しく歳を重ね、次の世代へ受け継いでいただける住まいをつくり続けたいと思います。

それが、観田創建の「経年美修」という住まいづくりです。

2026.08.10

おかげさまで創業30周年|感謝を胸に、次の30年へ

おかげさまで創業30周年を迎えることができました

平成8年8月8日に創業した観田創建は、令和8年8月8日をもちまして、創業30周年を迎えることができました。

振り返れば、本当にあっという間の30年でした。

今日まで歩んでくることができたのは、私たちを信頼し、大切な住まいづくりをご依頼くださったお客様、いつも現場を支えてくださる職人さんや協力業者の皆様、金融機関をはじめ多くの関係者の皆様、そして共に歩んできてくれたスタッフのおかげです。

あらためて、心より感謝申し上げます。

30年間、私たちがひたすら考え続けてきたのは、

「どうすれば、お客様とご家族に末永く幸せに暮らしていただけるのか」

ということでした。

「この家を建ててよかった」

「毎日、快適に暮らしています」

「子どもたちとの楽しい思い出が、この家にたくさん残っています」

そんなお言葉をいただくたびに、私たちがつくっているのは建物だけではなく、その先にあるご家族の暮らしや幸せなのだと教えていただいてきた30年でもありました。

そして、住まいは30年で終わるものではありません。

お子様が成長し、やがて次の世代へ。

50年、60年、その先まで大切に受け継いでいただける住まいをつくることが、これからますます大切になってくると感じています。

自然素材、環境工学、耐震・断熱性能、そして金沢の文化や美しい暮らし。

これまで積み重ねてきたものを大切にしながら、私たち自身も進化を続け、次の30年の観田創建をつくってまいります。

30年間、本当にありがとうございました。

そして、これからも末永くお付き合いいただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

自然と人が共に輝く暮らしを、次世代へ。

株式会社 観田創建
代表取締役 観田 康宏