2026.09.21
昨年8月、Instagramをご覧いただき、「雰囲気が良かったので」
とホームページからお問い合わせをいただいたことが、ご縁の始まりでした。
30歳のご夫婦と、大切な家族であるうさぎちゃん。
そしてその時、お腹の中には新しい命がありました。
ご相談いただいたのは、これから増えていく家族みんなが、安心して心地よく暮らせる住まいでした。
初めての住まいづくりです。
最初は何をどう決めればいいのか、戸惑われることもあったと思います。
間取りはどうするのか。
どんな素材を使うのか。
収納はどれくらい必要なのか。
でも、打ち合わせを重ねていくうちに、少しずつ大切なことが見えてきました。
「どんな家を建てたいか」ではなく、
「家族で、どんな暮らしをしたいのか」
ということです。
一つひとつお話を伺いながら、ご夫婦の中でもこれからの暮らしが少しずつ明確になり、その想いが今回の住まいとして形になりました。
そして、打ち合わせの途中には、待ち望んでいた赤ちゃんも元気に誕生。
先日のお客様検査では、その小さな手と身体で、無垢のフローリングをしっかりとチェックしてくれていました。
なんとも微笑ましく、うれしい光景でした。
床には、クリと桜の無垢フローリングを使っています。
植物油を主成分とした自然系の浸透性塗料で仕上げることで、木を膜で覆ってしまうのではなく、無垢材本来の質感やぬくもりをできるだけそのまま感じられるようにしています。
これから赤ちゃんがハイハイをしたり、裸足で走り回ったり、うさぎちゃんと一緒に過ごしたり。
でも、その一つひとつも、ご家族がこの家で暮らしてきた大切な時間の跡になっていくのだと思います。
家は完成しました。でも、物語はこれからです。
お子様が成長し、ご家族の暮らしも少しずつ変わっていく。
楽しいことも、忙しいことも、きっとたくさんあると思います。
その一つひとつの時間が、この住まいに刻まれていきます。
私たちにとって、住まいをお引き渡しすることは、お付き合いの終わりではありません。
10年後、20年後。
「この家で暮らしてきてよかった」
そう思っていただけるように、これからもご家族の暮らしを末永くサポートさせていただきたいと思います。
たくさんの笑顔と、たくさんの思い出が、この住まいに刻まれていくことを楽しみにしています。
2026.09.17
新築から、この9月でちょうど20年を迎えたお住まい。
今回はそのお住まいの工事ではなく、お隣にお住まいのご実家のお父様・お母様からご相談をいただき、屋根の全面改修とトイレの改修工事でお伺いしました。
久しぶりに、20年前に建てさせていただいた住まいをゆっくり眺めてみると、少し前にメンテナンスさせていただいた外壁もとてもきれいです。
手前味噌ではありますが、
「本当に20年経ったのかな」
と思ってしまうほどでした。
もちろん、新築当時のままというわけではありません。
雨や風、強い日差し、そして北陸の厳しい冬を20年間経験しています。
それでも、必要な時期にきちんと手を入れ、お客様が大切に暮らしてくださったことで、新築時とはまた違う、落ち着いた美しさが生まれていました。
住まいは、建てた瞬間が一番美しいのではなく、暮らしながら手を入れ、ご家族の歴史とともに美しく歳を重ねていくものだと思います。
そして今回、もう一つとてもうれしかったことがあります。
20年前、一軒の住まいを建てさせていただいたことから始まったご縁が、年月を経て、お隣に暮らすご両親の住まいのご相談へとつながっていることです。
家を建てたら、それでお付き合いが終わるのではなく、点検やメンテナンスでお伺いしながら、お子様の成長を拝見したり、ご家族の暮らしの変化を感じたり。
一軒の家から始まったご縁が、20年という時間を超えて、ご家族とのお付き合いへと育っていく。
考えてみれば、これほどありがたいことはありません。
自然素材が年月とともに味わいを深めていくように、私たちとお客様とのご縁もまた、時間を重ねるほどに深まっていく。
それも、観田創建が大切にしたい**「経年美」**のひとつなのかもしれません。
家も、人も、ご縁も、美しく歳を重ねていく。
これから10年、20年、その先も。
住まいとご家族に寄り添いながら、末永くお付き合いさせていただければと思います。
2026.09.12
久しぶりに拝見すると、ナラの無垢床や杉の柿渋塗りも、12年という時間を重ね、少しずつ艶が増し、色合いにも深みと重厚感が生まれていました。
新築の時の美しさとは、また違う美しさです。
自然素材は、時間が経つほどに傷や色の変化も含めて、その家にしかない表情へと育っていきます。
そして、それは住まいだけではないのかもしれません。
ご夫婦も自然体で暮らす日々を積み重ねながら、12年前よりさらにご家族の歴史と絆を深めてこられたように感じました。
本当に素敵なご家族です。
設計した者にとって、12年経ってからいただく「一番好きな場所」という言葉は、新築時のお褒めの言葉とはまた違う、何ともいえないうれしさがあります。
暮らして、使って、季節を何度も経験して、それでも好きでいてくださる。
そこに、住まいの本当の価値があるように思います。
そして、もう一つ素敵だったのが、リビングや玄関からつながる土間の作業場。
そこでいろいろなものをつくり、手を動かし、暮らしそのものを楽しんでいらっしゃいました。
住まいは、きれいに眺めるためのものではなく、そこで何をして、誰と過ごし、どんな時間を積み重ねていくか。
12年経った住まいを訪ねると、私たちが設計した家に、お客様自身の暮らしが加わり、完成した時よりもずっと豊かな住まいになっていることに気づかされます。
自然素材が美しく歳を重ねるように、人も家族も、住まいとともに豊かに歳を重ねていく。
そんな姿を拝見できることが、長く住まいづくりに携わらせていただく私たちにとって、何よりうれしいことです。
これから10年、20年と、さらにどんな住まいに育っていくのか。
またお伺いできる日を楽しみにしています。
2026.09.08
新築から22年。
私たち観田創建で建築させていただいた、自然素材と泥壁を大切にした金沢市の住まいを、今回大きく改修させていただくことになりました。
22年前も、自然素材を使い、永く大切に暮らしていただける住まいを目指して設計しました。
そして22年が経った今。
良いものは残しながら、現在の技術でさらに性能を高め、これから50年、100年と住み継いでいける住まいへ。
今回の大きなテーマです。
22年前の自然素材に、現在の断熱・気密性能を
まず取り組んでいるのが、断熱・気密性能の大幅な向上です。
現在は天井部分の断熱・気密工事の真っ最中。
既存住宅だからこそ難しい部分もありますが、一つひとつ納まりを確認しながら、現在のGX志向型住宅を目標とした高い省エネ性能へ近づけていきます。
夏は涼しく、冬は暖かく。
そして少ないエネルギーで快適に暮らせる住まいへ。
22年間で進化してきた環境工学や断熱・気密の技術を、この住まいにもう一度重ねていきます。
繰り返す大地震も見据えた住まいへ
もう一つ、大切なのが耐震性能です。
能登半島地震を経験した私たちにとって、単に一度の大地震に耐えるだけでなく、繰り返す大きな地震に対して、いかに住まいとご家族を守るかは、これからますます大切なテーマだと感じています。
既存の構造をしっかり調査し、必要な部分を補強しながら、次の世代にも安心して受け継いでいただける住まいを目指します。
22年間使った杉の床は、捨てずに蘇らせる
そして私が楽しみにしているのが、22年間ご家族と一緒に時を重ねてきた杉の無垢フローリングです。
新しい床に張り替えるのではなく、表面を丁寧にサンダー掛けして、もう一度美しく蘇らせます。
傷も、色の変化も、22年間暮らしてきた証です。
古くなったから取り替えるのではなく、良いものは手を入れながら使い続ける。
自然素材だからこそできることですね。
そして今回、お客様が念願だった**「緑に囲まれて暮らす住まい」**へ。
窓から緑を眺め、季節を感じ、自然の光や風を楽しみながら暮らす。
22年間のご家族の思い出と、現在の技術、そしてこれからの夢を重ねていく。
新しくするためのリノベーションではなく、良いものを未来へつなぐためのリノベーション。
完成が今からとても楽しみです。
2026.09.04
秋雨前線の影響でしょうか。
昨日から金沢もずいぶん涼しくなってきました。
夜になると聞こえてくる虫の声も心地よく、季節が少しずつ秋へ移っていることを感じます。
事務所のオブジェも秋仕様へ。
ほんの少し季節のものが加わるだけで、空間の雰囲気が変わり、なんだか心までウキウキしてきます。
夏の「情熱」から、秋の「知性と感性」へ。
本を読んだり、美しいものに触れたり、自然の小さな変化に気づいたり。
そんな時間から得られるものも、住まいを設計する私たちにとって、とても大切な学びだと思っています。
観田創建も今年、おかげさまで設立30周年を迎えることができました。
大きなことを急に変えるのではなく、これまで大切にしてきたものを守りながら、新しいことにも少しずつ挑戦していく。
次の30年に向けて、今日も小さな一歩を。
実りの秋となるよう、スタッフみんなで楽しみながら歩んでまいりたいと思います。