2007.02.13

木材の話 vol.4 木の欠点2

木は上手く使えば、生きた年数だけ木材料としても活きるとよく言います。
しかし、最近は生産性を優先し木を人口乾燥させるか、乾燥材を集成材にして使用することがほとんどです。

この人口乾燥が大きな問題の一つです。
現在、人口乾燥は蒸気、加熱型、高周波、赤外線、燻煙乾燥など様々な乾燥方法があります。
もちろんある程度の生産性や寸法安定性は現在の流通システムとコストを考えると避けては通れません。

しかし、木材は約70度以上の急速な加熱は木の細胞膜を破壊し、強度を低下させ腐敗菌や白蟻に犯されやすくします。

中には耐久性を考慮した人口乾燥方法もありますが、現在流通している多くはこの死に掛けた木材です。艶も出てきませんしポキッとすぐ折れてしまいます。

部分的な古材の利用と、若くて精力みなぎっている木とを上手く使い分けて建てるのは素晴らしいと思います。
しかし、細胞を破壊して殺してしまった木で全て出来た新築住宅は如何でしょうか 

生産性第一主義ではなく、耐久性を重視しながら生産性を高め、それと同時に職人の技術と知恵の融合させることが一番だと思います。

写真上(特殊な人口乾燥) 低温で乾燥期間を通常の倍
写真下(一般的な人工乾燥)細胞の中の水分が急速に発散し細胞膜を破壊

2007.02.09

保育園の耐震診断

巷では、耐震偽造問題が問題になっていますが
昨日は2つの保育園の耐震診断の現地調査です。

再構造計算のため、実際の間取りや壁の位置、ひび割れの程度を
調べシュミットハンマー(写真下)試験とコンクリートの壁をコア
抜き(写真上)したものを破壊し実際のコンクリート強度を再試験します。

耐震基準が昭和56年に強化されており、それ以前の公共性が高い建物を対象に耐震診断を実施し、強度が不足しているものは補強工事を進めています。

竣工47年と52年の保育園ですので以前の基準で建築していますので微妙です。
補強工事にならないよう、祈るばかりです。

2007.02.07

迫力のプロジェクター

 昨年の9月完成のM邸に訪問してきました。

 なんとびっくり

 リビングの壁にプロジェクターを投影してDVDを鑑賞しているそうです。

Mさんの内壁は再生紙に木のチップを埋め込んだオガファーザーの上に塗装するという、環境問題やシックハウス対策に進んだドイツでよく見られる仕上方法です。

ビニルクロスには出来ない自然素材の質感とマットな雰囲気が派手さはありませんが非常に上品な仕上りになります。

昼間で天気が良かったので写りは少し落ちるそうですが夜は最高だそうです
オガファーザー: https://www.iskcorp.com/item/product/oga.html

2007.02.06

かほくの竜巻?

先週の金曜日の夜、大学のOB会でお酒を飲んでいるときに先輩から電話
夜も更けていたので何かあったのかと思い急いで会場から離れ、電話に出ると

竜巻にやられたー

翌日にお宅に言ってみると本当に竜巻が通ったように瓦が飛ばされています。 自然の驚異は恐ろしい

不便だろうと急いで対応させていただいたら、先輩のブログで宣伝してくれました。

先輩は水中カメラ撮影で有名ですし、多趣味なのでブログも面白いです。良かったら一度、訪れてみてください

らくえんのLOHAS de DOH? RAKU?   https://kahoku.blog5.fc2.com/

2007.02.04

高断熱高気密

高断熱・高気密の住まいの是非が様々なところで議論されています。会社としても10年ほど前から、研究を重ねてきました。
しかし、今のところは積極的な提案は考えていません。
その理由として、まだ解決していない問題が湿度管理と計画換気の有効性と施工の問題です。
高断熱・高気密は、省エネルギーと居住性を高める為、温度管理と換気を人工的に管理していくために生まれました。
しかし、最も人間の健康に影響している湿度(高いと万病の元・低いと免疫力の低下など)は全く管理されておらず、殆どは過乾燥になっています。その為に赤ちゃんがいる家では、加湿器を設置したりしています。

また、計画換気は人口的に部屋の全ての空気を熱効率よく、換気することは非常に難しいのが実情です。
下手すると2〜3年で消えてしまった24時間風呂の再現です。

最大の問題は施工性です。断熱材の隙間をテープで止めるだけであったり、古紙などを充填したり、様々な工法や材料があります。しかし、どれも数年は気密を確保できますが、何十年も性能を確保するのは現在の工法では無理です。
テープの亀裂が起きても、壁の中ですから修理もままなりませんし、その弱い部分に負荷が集中することになります。
また、古紙などの充填断熱も、壁対内での空気環境(木の腐敗につながる)の悪化が心配です。

特に子ども達は、四季の変化で、感性、情緒、知性や忍耐という人間性が発達する、と環境工学博士の富田辰夫氏は言っています。
子供が小さい親としては、多少の寒さは我慢させたいです。  …実際はきっちり建てれば十分に暖かいです…

しかし、高齢者には良い部分もありますので、引き続いて研究は続けていきます。