2007.04.04

東金沢保育園の現在

暗い話題続きでしたが、東金沢保育園未満自分園のテレビカメラの設定と
インターネットを通じて本園でもパソコン上で見れるように設定してきました。

4月から新たな子ども達が加わり、0歳から3歳未満の子ども達で一杯です。

がらんとした部屋やホールがそれぞれの遊びに集中出来るように家具や建具で
仕切られ、おままごと、ブロック作り、お昼ね、食事など様々な空間があります。
非常に面白い保育方法です。

設計士として施工者として竣工したときより、それを上手に使っていただいている姿をみると感無量です。
久々に晴れやかな気持ちになりました。

住宅も保育園も使っていただいて初めて価値あるものとして存在すると思います。

新築した状態にデザインの良い家具を入れる事により、新たな生活を夢見ることが出来てわくわくしますが、最近感じることはデザインの良い家でも生活が始まるとパッとしない家と生活観がでると余計に雰囲気のよくなる家があります。
もちろん、お施主様の使い方にもよりますが、それだけではないようです。

生活観があっても余計に良く見える住宅を是非、提供したいですね。

2007.04.02

3階建住宅耐震補強現地調査

 親戚の漆器屋さんで木造3階建て築47年のご自宅兼展示場や蔵が被害に
 合われ、補修できるか解体せざるを得ないか至急判断してほしいとのご依頼を
 お聞きしました。

 門前のボランティアに参加しているため、日を改めて早急に確認する予定
 でしたが、ボランティア本部より輪島の状況確認を依頼され、その日に
 寄らせていただくことが出来ました。

 本当に皆さん地震直後でお疲れのご様子でした。かなり土蔵や泥壁が
 落下しており多少の傾きがありましたが、補修できそうです。

 少しご安心されたご様子で、早く確認が出来て本当によかったです

木曜日のボランティアは状況確認することが主な役割で何も皆様の力になれないどころか、逆に被災地の皆様の笑顔や優しさに励まされるばかりです。

木造を専門でやらせていただいている建築士として、また木に囲まれて育ったものとして少しは出来ることがあるのではと思っています。

午後からあらためて社員とご依頼の木造3階建て被害住宅の現地詳細調査にいってきました。レーザーで確認した結果柱が最大30mm傾いています。

調査は半日では終わらず更にかかりますが、やはり耐震補強工事の方向で決まりました。
祖父が亡くなる前に建てた自慢のご自宅でそれを大切にしたいそうです。能登には大切なものがあふれています。

2007.04.01

土蔵の倒壊 能登半島地震Vol.3

木造伝統構法でしっかり建ててある土蔵が倒壊していました。 

泥壁が完全に剥がれ落ちて構造材が剥き出しにで、住宅にのしかかっていました。
原因は構造材の腐りです。

能登ヒバの柱や通し貫が完全に腐っており、地面に近い部分は
完全に白蟻と腐敗に犯されて何もない状態です。

元々の耐震性が確保されていたのに、腐りによって倒壊しています。

腐りの原因は、土蔵の周りの間違った補修により、木材の耐久性にとって一番重要である通風を阻害されたことと思われます。
元々腰部は石積みでその上部は漆喰か板張りで通風が確保されていたものが、下部はコンクリートで固め上部は板金で(トタン)で覆ってあります。
木材、特に能登ヒバは非常に湿気に強く100年は耐久性がある材料ですし、構造の組み方も申し分のない仕事が台無しです。

木造住宅のリフォームや修繕は適切な知識のある工務店や住宅会社でおこなわないと、折角の丈夫な建物も台無しにしてしまいますので、細心の注意が必要です。

昨日は金沢市の2つの保育園の耐震診断をさせていただいた結果を報告にいっていきました。
昭和56年に耐震基準が強化され、それ以前の建築であった為残念ながら適合しておらず、耐震補強が必要となりました。
今年か来年には補強計画(設計)させていただき、補強工事をおこなう予定です。

耐震補強工事はまだ、公共性の高い建築物がメインですが、今回の地震で改めて20年以上前に建築された住宅の耐震補強工事の必要性を痛感しました。

2007.03.31

能登半島地震調査Vol.2

 門前町で在来工法の木造家屋倒壊の代表的なものです。

 1階部分の土台が基礎から浮き上がり1階と2階の境目が折れ曲がり
 それにより梁が外れて、1階部分が潰れています。

 原因として、基礎の上に土台が地震で浮き上がり、同時に階のつなぎ目が
 折れてしまっています。
 簡単な対策としては基礎を頑丈にして倒壊を防ぎ、同時に基礎と柱や土台を
 しっかりと固めることがです。

 コストが安く家の浮き上がりを防止する構法です。
 在来工法の耐震補強で採用されます。

 更に高度な構法は柱を基礎に固定し、その周りに土台を梁のように
 かけていく高床式構法などにみられる組み方です。

 簡単なものは門前の小学校で地震の影響がなかった相撲の土俵です。
 シンプルで非常に強い構法です。 
 スジカイがなくても地震の影響無しです。大きな特徴の一つは柱が固定
されていることです。ただ、長期的には木の柱がそのまま土の中に埋まっていますので腐りやすいのが問題です。

ボランティア活動では、本部に入った依頼の現調を行って人数や必要物資とその危険性などの状況を判断し、ボランティアを派遣してきました。
被害はテレビより深刻です。  仕事が忙しく難しいですが時間が許せばまた活動したいです。

2007.03.30

能登半島地震調査Vol.1

昨日に1日かけてボランティアと現地調査に行ってきました。

門前と輪島でしたが特に門前の被害が激しく予想外です。

テレビの画面とは住民の動揺や被害のすさまじさが全く違っており、同時に住民が助け合っている姿に感動しました。

門前のメイン通りはほとんどの家屋が全壊もしくは半壊、よくて傾いている状態で、行政の再利許可が降りないと生活が出来ない状態です。

また、上下水道が全く利用できずにほとんどの町民が避難しています。

写真は木造在来工法の住宅で、倒壊の代表的な原因である基礎から土台が浮き上がる事と1階と2階の境目で建物が折れ曲がってしまうことにより、梁もはずれて特に1階が倒壊してしまっています。

曹洞宗大本山総持寺祖院です。主だった被害がありません。
頭でっかちで1階は全くスジカイも何もありません。
木造伝統構法のお手本の建築です。

地震で倒壊した建築物を調査してきたので、プログで倒壊に至った原因をお知らせします。