2009.06.10

UT邸の造作材加工中

 広瀧大工と現場監督の中井でUT様の造作材加工です。

 午前中に大工から連絡が入り、和室の長押が板目の材料が
 納品されているがそれでよいか確認してほしいとのことでした。

 長押とは和室の鴨居の上に水平方向に付いている板のような
 もので、本来は構造を補強するために付いていたものが今では
 装飾的に使われます。

 寸法や材種、木目、色は柱に合わせバランスをとり、長押だけ

 で和室の空間がまったく違うものになるほど大切なものです。
 今回は和室の柱が杉の面皮といって柱の角に丸太部分が残っ
 ている杉の柱なので、柾目に取替えてもらいました。

 杉の面皮の柱は4つ角に丸太部分が残っているため、鴨居や
 敷居など取付が大変難しいのですが、出来あがった空間は
 優しい空間に見えると同時に、自然な風合いも色濃くでて
 大変素敵な空間になります。


 今はそれを求められることは少なくなり施工もたまにですが
 老舗のお料理屋さんなどや東山のお茶屋さんに一部残ってい
 ますので、是非その空間の良さを味わっていただければいいな
 と思います。