2007.02.04

木材の話vol.3 木の欠点

木は良い性質ばかりではありません。
腐る・狂う・燃える・変色(好き嫌いはあるが)
右の写真は、以前に築25年の建物のリフォームしたときの写真です。
土台も柱も腐敗菌と白蟻でボロボロでした。壁の中に雨水がわずかに浸透していたことと、通風が全くなかったことが原因です。

一方で、日本には世界最古で築1400年の木造建築である法隆寺がありますし、木造建築物は何百年も耐久性があることが立証されています。民家も100年、200年なんてざらにあります。
木の天敵である白蟻や腐敗菌は非常に生命力が弱く、一定の温度と湿度の中でしか生きることが出来ません。

少なくとも1400年前の大工は、そのメカニズムを理解して木材を知り尽くし、腐ることと狂うことを経験と技術で克服しています。
ところが、これだけ科学技術が発達した現代に、リフォームなどにお伺いすると20年ほどの家の木がなぜ腐っているのでしょうか?   つづく

2007.01.31

木材の話 vol.2 木の良さ

何で日本の昔の家屋は木造なのでしょうか?
石やレンガ(焼き物)の技術が無かったからではありません。石垣や陶芸に見られるように非常に高い技術と文化を持っていました。
では、なぜ石造りや煉瓦などの家が残っていないのでしょうか。

それは日本の高温多湿である気候風土や様々な歴史的背景や環境が影響しているそうです。
確かに、木には調湿作用があり1本の杉の柱には湿気の多いときはビール瓶大瓶2.5本分、少ないときは2本分の水分が含まれ、0.5本分で吸ったりはいたりして部屋の中の湿度を50%前後に調湿します。まさに自然の調湿機です。

その他にも断熱効果、紫外線を吸収(目に優しい)、遮音性とまろやかな反響など、素晴らしい特質があります。
尚且つ、生まれたばかりのマウス130匹を木と金属とコンクリートの箱に入れる実験をした結果、23日後の生存率が
木:85% 金属:41% コンクリート:7%
だったそうです。やはり生き物には木の環境がよいそうです。

同時に忘れてならないのはくさる、くるう、燃えるという欠点もあります。          つづく

2007.01.29

木材の話 vol.1適材適所

適材適所!とは人をその才能に適した地位・任務につけることとしてよく使われる言葉ですが、元々棟梁が様々な材種やその木自体が持つ性質を理解し、相応しい場所に配置し旨くその良さを活かして加工して、家の耐久性と経済効率を高めていたことからが由来だそうです。 
土台には硬くて腐り難い木をその木の場所を選び、梁は曲がる方向を見極め、向きや方向、場所を決めていました。
木は人と同じで1本1本に性質や性格が異なり、なかなか素直で屈託ない木はいません。
しかし、その個性的な性格を良い部分を旨く活かしてあげると、素直な木だけで作るより、より頑丈で耐久性が高い素晴らしい住まいが出来ます。 

ここ数年、情熱を持った良い職人が減っています。それは技術を持っていても評価されないことが大きな要因です。
なんとか、素晴らしい技術を次世代に残せるようがんばっていきます 

2007.01.26

アパホテルの耐震偽造

昨日、アパホテルの耐震偽造が表面化しました。 
早速、お客様からの問合せがあり、社会全体に不安感を与える大問題です。
アパホテルは耐震偽造が問題となった早い時期から、業界内でも噂になっていましたが、まさかという思いです。

シックハウス症候群やアスベストの問題も一緒であり、10年前はその危険性を業者やメーカーに訴えても、その危険性を知りながら、分からなければ良いといった風潮でした。
今も正直、変っていないと思います。
ホルムアルデヒドやトルエン、キシレンといった明らかに人体に影響があるものは規制されていますが、その他の化学物質は影響がはっきり証明されていない為に使い放題です。
挙句には、その規制されているものの使用がわずかであるから、健康住宅と販売しているところさえ見受けられます。
我々は誰の為に仕事をしているのか、ということをもう一度、胸に刻みたいと思います。 

2007.01.23

最新項目を新設しました。

ホームページにアンケートコーナー設計・施工日記を新設しました。

アンケートコーナーは皆様が、住まいづくりの様々な事柄にどの様なご意見お持ちか集計したいと思います。
設計・施工日記では現在進行しているお住まいを日記調に記録していきたいと思います。お施主様も現場に足を運べないときなどにどんどんご利用下さい。
どちらも、皆様方のコメントでより、魅力溢れるHPになります。つまらないことで結構ですのでどしどし、投稿お願い致します。