2007.02.04

高断熱高気密

高断熱・高気密の住まいの是非が様々なところで議論されています。会社としても10年ほど前から、研究を重ねてきました。
しかし、今のところは積極的な提案は考えていません。
その理由として、まだ解決していない問題が湿度管理と計画換気の有効性と施工の問題です。
高断熱・高気密は、省エネルギーと居住性を高める為、温度管理と換気を人工的に管理していくために生まれました。
しかし、最も人間の健康に影響している湿度(高いと万病の元・低いと免疫力の低下など)は全く管理されておらず、殆どは過乾燥になっています。その為に赤ちゃんがいる家では、加湿器を設置したりしています。

また、計画換気は人口的に部屋の全ての空気を熱効率よく、換気することは非常に難しいのが実情です。
下手すると2〜3年で消えてしまった24時間風呂の再現です。

最大の問題は施工性です。断熱材の隙間をテープで止めるだけであったり、古紙などを充填したり、様々な工法や材料があります。しかし、どれも数年は気密を確保できますが、何十年も性能を確保するのは現在の工法では無理です。
テープの亀裂が起きても、壁の中ですから修理もままなりませんし、その弱い部分に負荷が集中することになります。
また、古紙などの充填断熱も、壁対内での空気環境(木の腐敗につながる)の悪化が心配です。

特に子ども達は、四季の変化で、感性、情緒、知性や忍耐という人間性が発達する、と環境工学博士の富田辰夫氏は言っています。
子供が小さい親としては、多少の寒さは我慢させたいです。  …実際はきっちり建てれば十分に暖かいです…

しかし、高齢者には良い部分もありますので、引き続いて研究は続けていきます。