2008.05.24
家は利益を生まず、資産価値もない?
ある飲食店を経営している友人から、どんなに良い住まいを建てても家からは利益が生まれないと思うので、安ければいいんじゃないですか?という意見を聞きました。
その通り資産価値はありません。
飲食店であればその分お金をかけた素敵な店舗にしたほうがお客が来るかもしれないし、有効だと思います。
また、土地と違って20年で資産価値がなくなるといわれているように、日本の現状では消費物といっても過言ではありません。
…アメリカや欧州は違いますが…
でも本当に安ければよいのでしょうか?
ローコスト住宅で一番の問題になるのはメンテナンスコストです。
26年ほどである日本の住宅の平均建て替え年数を縮める一番大きなきっかけはメンテナンス金額です。
ローコストで住まいを建築する場合は必然的に、消耗の激しい材料やメンテナンスコストが高くつく建材を選ばなければいけません。
26年でメンテナンスをした場合、30〜40坪の住宅で約1000万円近い金額はかかってしまいます。
参考までに、
◆水廻り全体で約500万円
◆外壁 約200万円 サイディングの場合
◆内装 約200万円以上 合板のフローリング、クロス貼変え、化粧シート張りの建具、収納
などなど…で少し良い仕様にしたり、増築するとさらに金額が膨らみます。
なら、一層デザインも古くなったし家族の生活変化にも対応できないので建て替える となるわけです。
結局40年ほどでとらえると、トータル金額が非常に高くつきます。
それであれば、維持費も固定資産税も金利もかからない賃貸のほうが安くつく可能性が大きいかもしれません。
しかし少し高くてもメンテナンス費用の安くつく素材選びや飽きない素材、そして家族の変化に対応できる間取りなど時間をかけて十分に考えれば、長く愛着を持って住むことができ、結果的に生涯のトータルコストをかなり少なくすることが出来ます。
また、住まいの役割は雨風をしのぐだけではないのではないでしょうか。
◆快適性や安心観
◆平和な生活
◆家族の健康
◆子供の成長
◆長い目での経済性
ではないでしょうか。
つまり、仕事、勉強、家事など家族が生活していく上での拠点です。
住まいで英気を養うことでより仕事や経営、勉強にがんばっていけるのだと思います。
…すこし、熱く語ってしまいました …
写真上:HS邸 メンテナンス金額を安くするために外壁を左官壁で仕上げています。 イニシャルコストもサイディングと変わりません。
写真下:家族が集うリビングやダイニングは自然素材などで落ち着き、癒される空間にすると同時に、通風や採光などの自然の恩恵を享受できるよう工夫しています。